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44話

まったく、お大尽さまの振る舞いそのものだな。

随葉もそれを気にすることなく、習慣的にベッドサイドテーブルから携帯を取ってから顔傾に渡した。

顔の美人は携帯を受け取り、画面をスワイプした。

「パスワードは?」

正直に言うと、彼女はまだ随葉の携帯を開いたことがなかった。

「ゼロサンゼロサン」

顔傾がパスワードを入力しながら、何気なく尋ねた。「あなたの誕生日?」

「違うよ、適当に決めただけ」と相手は何気ない言い訳をした。

「へぇ」

続けて個人情報のアカウントにログインしようとする。

「またパスワードが必要だわ」

「ゼロサンゼロサンゼロサン」

えぇ…

パスワードを入力しようとしていた顔傾は呆れて、少し...