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113話

この夜、顔傾は目の前の人が妙に元気がなく、何か心配事があるように見えることに気づいた。

珍しく彼女がこんな様子なので、当然心配して声をかけずにはいられない。

「どうしたの?何だか落ち着かない様子ね?」

そう言いながら、顔という美人は彼女の頬に手を添えた。

実は、この子は見れば見るほど魅力が増すタイプなのだ。こうして見ると、やはり綺麗な顔立ちをしている。

もちろん、憂いに沈んだ顔では、その美しさも半減してしまうが。

「終末から五年経ったんだね」隋葉は興味なさげに言った。

それを聞いて、顔傾も思わず感慨深げに頷いた。「そうね、もう五年も経ったのね。時間が経つのは本当に早いわ」

「私の夢の中では、人...