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81話

会社のビルの下に着くと、唐静は自分の電動バイクに乗り、趙哲を連れて自宅へと向かった。このマンションは趙哲が住むマンションからそれほど遠くない場所にあり、建物は古い様式のアパートで、唐静の借りている部屋は三階にあった。

階段を上がると、唐静は鍵を取り出してドアを開け、趙哲はその後に続いて部屋に入った。二DKの間取りで、主寝室のドアは開いていて、中には大きなベッドがあり、布団や枕などが少し乱れていた。朝起きた後に整理していないようだった。

「趙哲お兄さん、ちょっと待っててね。薬を取ってくるから」唐静はハイヒールを脱ぐと、急いで寝室のベッドサイドテーブルへ薬を探しに行った。

趙哲は寝室を覗き込...