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798話

怒りに任せて立ち去った玉姬は、自分の師匠である玉晏子がそんな人であるはずがないと信じていた。そこで彼女は玉晏子の部屋へと駆け込み、真相を確かめようとしたが、ドアの前まで来ると、どうしてもその扉を押し開くことができなかった。

どう切り出せばいいのだろう?

まさか玉晏子に処女なのかどうか、外に男がいるのかいないのかなどと尋ねるべきなのか?

玉姬にはそんな勇気がないだけでなく、たとえあったとしても口にするのは恥ずかしすぎる。

自分の師匠を疑うなど、それもこのような事で、玉姬にはとても言い出せなかった。

戸口で思い悩んでいると、玉姬の心の中で様々な思いが交錯した。入るべきかどうか迷っていたそ...