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772話

鉄獅子山。

壮観な山の中に、広大な彫刻が施された玉の梁や太鼓が古風な雰囲気を醸し出し、その威厳ある姿は深山の中の小さな王朝のようだった。

真っ赤なワンピースを着た少女が、きっぱりとしたポニーテールを揺らしながら、薬の入った椀を軽やかに手に持って外から部屋に入ってきた。彼女はベッドに横たわり、既に三日三晩昏睡し続けている青年を見て、思わず不満げに小さな唇を尖らせた。「もう三日も寝てるのに、まだ目を覚まさないなんて。師匠ったら、よりによってこんな奴の看病を私に任せるなんて、本当に許せない」

朦朧とした意識の中、趙哲は耳元でのひそひそ話と鼻先に漂う淡い少女の香りを感じ取り、思わず眉をしか...