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751話

狼王の追撃が止んだのを見て、猛図は馬を止めて見回した。その瞬間、一筋の鋭い光が顔面めがけて横一文字に飛んできた。

狼王の放った飛刀だ。

猛図は腕が痺れるほどの衝撃を受けた。生まれつきの怪力がなければ、今の一撃で鉄槌を握り続けることすらできず、手から弾き飛ばされていただろう。そうなれば頭が吹き飛び、血しぶきが辺りに飛び散っていたに違いない。考えただけでも背筋が凍る。

「ふん、見くびったようだな。まさか俺の飛刀を受け止められるとはな」狼王は冷笑いながら追いすがってきた。

猛図は急いで馬を走らせた。一瞬たりとも遅れるわけにはいかない。時は命なのだから。

猛図の馬は狼王の千里の駿馬にはとても...