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739話

城壁の外にある別の廃墟となった高層ビルの屋上で、全身黒い袍を纏った青年が地面に伏せていた。その前には堂々とスナイパーライフルが置かれている。

彼は口元を軽く上げ、洪袍に照準を合わせ、次に隣の唐天へと向けて独り言を呟いた。「こいつは本当に役立たずだな。こんなに長く潜んでいても洪袍を始末できないとはね。まあ、どちらかというと、俺は洪袍のあの面構えが一番嫌いだ。まずはサプライズをプレゼントしてやるか」

次の瞬間、負钜はスナイパーの銃口を、唐天を押さえつけていた男に向け直した。

「プッ」という小さな音と共に、弾丸が音もなく発射された。男は「うっ」と呻き、額の中央に血の穴が開き、ドシンと倒れ込んだ...