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722話

趙哲は思わず唾を飲み込み、心の中で「妖精め」と呟いた。「ほら、服を着るだけでもそんなに不器用なんだな」

「じゃあ、手伝ってくれるの?」紅韻の声には甘えた色気が滲み、趙哲に向かって瞬きをしながら、あからさまな誘惑だった。

「ドアに鍵をかけておくよ」趙哲は咳払いをしながら歩み寄り、ぱちんという音と共にドアをしっかりと閉め、それから紅韻のオフィスチェアの背後に立ち、大きな両手を差し入れた。

小さなオフィスの中には、たちまち艶めかしい雰囲気が漂い始めた。同時に、ある人の小さな喘ぎ声も聞こえていた。

退社時間が近づいた頃、趙哲はようやく満足げにオフィスを出て、会社を後にした。

一方、紅韻は桃色...