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684話

鬱蒼とした熱帯雨林。ここは天を突く巨木が立ち並び、蒸し暑く、地形も複雑。無数の野獣が出没する危険地帯だが、同時に、絶好の隠れ家でもあった。

巨木に囲まれたある一角に、広大な敷地を持つ軍営が設けられていた。野蛮な兵士たちが銃を携え周囲を巡回し、電気柵と警報装置も設置されている徹底的な警備体制だ。

もし誰かがここに侵入しようものなら、即座に蜂の巣にされる死の道を選ぶようなものだった。

軍営の最も中央にある建物の中で、屈強な禿頭の中年男が快適な安楽椅子に座り、足元の女性の奉仕を悦に入って楽しんでいた。

顔を赤らめ低い唸り声を上げた後、男はついに全身を数回痙攣させ、この上ない満足感に浸った。

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