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621話

話が口から出た瞬間、背後から突然カサカサという音が聞こえてきた。まるで何かの甲虫が這い回るような、背筋が凍るような音だった。

「まずい、屍虫だ、急げ!」玉仏は顔色を変え、ヤバいと思いながら趙哲に前へ這うよう急かした。

趙哲が振り返ると、無数の屍虫が先ほどの石室から波のように押し寄せてきていた。瞬く間に石壁は虫で覆われ、間違いなく、もしこれらに体を埋め尽くされたら、残るのは白骨だけだろう。

「くそっ、言わなくても来やがった。あんたは本当に仏様なんですね!」趙哲も頭皮がゾクゾクするのを感じ、急いで玉仏の後に続いて必死に前へ這った。あいにく通路が狭すぎて立つこともできず、這う速度も遅く、もどか...