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591話

「それを言われると、王立搏の顔色が曇り始めた。もともと王妍と趙哲の結婚話には反対していたのだ。普段なら娘が望むことには何でも応えようとするのだが、この愛しい一人娘のことだけに。

「ふふ、私が勝手に仲人役を買って出て、困らせてしまったかな?」鉄重はどこまでも老獪なもので、王立搏の考えや立場を見抜かないはずがない。

「いえ、鉄老先生、あなたが娘の仲人をしてくださるなんて、身に余る光栄です。ただ……」王立搏は困り顔で言った。

「ご存知かと思いますが、洪家のあの二代目坊ちゃんが、ずっと小妍に目をつけて妻にしようとしています。今日私が二人の縁談を承諾したら、明日には洪家の二代目から様々な嫌がらせを...