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402話

オフィスの中で、孫婉渓はまるで会社の社長のように背筋を伸ばし、デスクに向かって座っていた。手元の書類に一糸乱れぬ真剣さで目を通す姿は、格別な気品と美しさを醸し出していた。

趙哲はこっそりと忍び込むと、背後から両手を回して、なめらかな柳の腰のような彼女の腰に手を廻した。

突然の接触に、書類に集中していた孫婉渓は思わず驚いて跳ね上がり、振り返ると趙哲が下心丸出しの表情で自分を見つめ、両手でしきりに撫で回しているのに気づいた。背中から麻痺するようなしびれが走る。「もう、死にたいの?入ってくるなら声くらい出しなさいよ」

「へへ、社長様のお仕事の邪魔をしたくなかったんだよ」にやりと笑いながら、趙哲...