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392話

「それを言ってくれると、安心だ」王天虎は笑った。苦笑なのか、嬉しい笑いなのか判然としない。「天虎組をお前に譲る条件の一つと思ってくれ。だが、どうしても無理なら、無理強いはしない」

「ああ」趙哲は力強くうなずいたが、頭の中では依然として王天虎が描写した悪党のことを考えていた。

得物は幅広の刀、しかも東北地方の者か。地下組織のチンピラといえば、あの辺りが最も凶悪で闇が深い。勢力も複雑に絡み合っている。この広い裏社会で、その男を見つけるのは確かに難しいだろう。だがそれでも趙哲は絶対的な自信を持っていた。必ずやこの極悪人を見つけ出してみせる。

「それなら安心だ」王天虎は安堵の表情で頷いた。「小寧の...