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359話

「ねぇ小妍、リラックスして、ありのままの自分を見せればいいんだよ」趙哲は片足を組み、両側から女の子を抱き寄せながら、不埒な手をあちこち這わせ、うっとりした表情を浮かべていた。「この歌はさ、絶対に歌わなきゃダメだよ。必ず歌うべきなんだ」

ここまで来たら、腕前を見せないわけにはいかない。この趙哲という大スケベに舐められるわけにはいかないのだ。

「歌えばいいんでしょ!誰が怖いもんですか!」王妍は鼻を高くし、堂々とした様子でマイクを握って前に出た。「あの『ポタラ宮』の神曲をかけて!」

絶世の美貌と、心地よく伸びやかな歌声。一曲歌い終えると、まるで一人一人の心を揺さぶったかのように、会場から拍手が...