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321話

司馬王子は少し顔を赤らめ、深黄色の髪をかきながら言った。「それが……金龍のヤツはたいした奴じゃないんですよ。ただ、そいつの側に尚武って坊主がいて、とんでもない武の達人なんです。一人で数十人の兄弟たちを倒せるんですよ。マジで化け物ですわ」

「お前たち、奴らと戦ったのか?」その言葉に赵哲は少し興味を示した。堂々たるL市南郊の親分を「ヤツ」呼ばわりするとは、司馬王子は間違いなく初めてだろう。

「そうなんですよ。つい先日一戦交えたんです。幸い俺たちはその場にいなかったから良かったものの、いたら確実にボロボロにされてましたね」司馬王子は恐ろしい記憶を思い出したようだ。「戻ってきた数十人の弟たちは、腕...