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203話

新しい都市での奮闘の数年間、趙哲と安心怡の連絡はごくわずかだったが、二人の関係は非常に安定していた。

趙哲は紆余曲折を経て、ある刑務所に入り、警備を担当することになった。

趙哲が刑務所長にアフリカでの任務を報告し終えた時、すでに真夜中の十時だった。

「カッ、カッ、カッ……」軍靴が青石の床に触れる単調で機械的な音を立てながら、趙哲は独り寮へと続く細長い廊下を歩いていた。

月明かりに照らし出された顔は、落ち着きがあり、重厚で、凛々しかった。特にその一見穏やかな黒い瞳は、深遠かつ鋭く、見る者に畏怖の念を抱かせるほどだった。

一陣の夜風が冷たく吹き抜けると、彼は無意識に軍服の襟を立てた。寒さを恐...