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192話

まだ楊小青が返事をする間もなく、この張り込みに進展があった。

一台の電動バイクが19号棟の前で止まったが、趙哲と楊小青は乗っていた人物に気を留めなかった。その人物は配達員の制服を着ていたからだ。

配達員は電動バイクをしっかり停めると降り、スマホを取り出して数回操作した後、耳に当てた。「羅さんですか?住所には19号棟としか書かれていませんが、どの部屋かわからないんですけど!」

三階の左側の窓からひょいと顔が出た。「ここだよ!早く持ってきて」

車内の楊小青はその人物を見るなり、まるで血が騒ぐかのように趙哲の腕を引っ張り、声を潜めて言った。「あの人よ、あの人が羅文忠!」

趙哲は一瞬呆然とした...