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71話

「ベランダから見れば、月亮市の一角が見える。それに叔母の家のベランダの下は、月亮市でも比較的賑やかな通りだ」

王平は通りを見下ろすと、大小様々な車が途切れなく流れ、歩道には人の頭しか見えないほどだった。彼は考えた。今の車と人はなんてこんなに多いんだろう。太陽市もそうだし、月亮市もそう、国中の大中小の都市がみんなこうなのだ。中国の計画出産はとっくに始まったはずなのに。

そのとき、王平のケータイが鳴り出した。フタを開けて見ると、劉瑩からだった。彼は思った。この美人クラス委員長、こんな時間に電話をかけてくるなんて、何かあるのだろうか。王平は推測した。きっと委員長は難問を電話で相談するつもりなのだ...