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68話

「この自信に満ちた叫び声を聞いて、私は泣くべきか笑うべきか分からなかった。

誘拐犯に人質と金の両方を差し出すような馬鹿は、誘拐犯にとって垂涎の的だろう。

そう考えていると、側にいた誘拐犯の一人がすぐさま言った。「三兄貴、来たぜ。あの女、マジでヤバいっすよ。一発ヤったら、もう女買いに行く気も失せるぐらいの上玉だぜ」

誘拐犯の三番手がそれを聞くと、ボスらしき男が鼻で冷笑した。明らかに信じていない様子だった。

しかし、すぐに「おや?」と声を上げ、洞窟の外の二つの人影に目を奪われた。

私はその時あまり考えず、すぐに叫んだ。「子玉、姉さんと一緒に逃げろ!」

「義兄さん、怖がらないで。お金持っ...