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367話

あの夜、袁百万は一睡もしなかった。

彼が良い人間ではないことは分かっていたが、袁艺のためにあれほどのことをするのだから、少なくとも良い父親ではある。

私は彼と一晩中居間で過ごし、いくつか質問もした。

この状況になって、袁百万は当然、誘拐犯の正体を推測していた。だから彼はあの男にいくら送金してもかまわないと言ったが、袁艺は本当に無実だと。

彼が懺悔しているのが見て取れた。

彼は私に、誘拐犯は郭守義という名前で、元々は曹州の裕福な商人の息子だったと教えてくれた。

ただ、後に麻薬に手を出して家を潰してしまったのだと。

その麻薬を売っていたのは当然、袁百万だった。そしてこの商売をしたから...