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350話

人影が現れた瞬間、私は興奮すると同時に彼女に対して一筋の不安を感じた。

彼女が私を助けてユークリアを救出しようとしていることは分かっていた。

だが、どんなに腕が立とうとも、所詮は女性だ。傭兵の集団からユークリアを救い出すなど、非常に危険な行為だった。

すぐにでも彼女を止めようとしたが、彼女は私に「静かに」という手振りをした後、ユークリアの傍にいる二人の傭兵を鋭く見つめていた。

「ホワイト・ウルフさん、こんな時に気を散らすのは良くありませんよ」

髭面の男が鋭い眼差しを向け、指を鳴らした。すると、彼の側にいた傭兵たちが散開し、素早く私を取り囲んだ。

彼らは非常に集中して銃を...