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345話

ナターシャの焦りを帯びた声を聞いて、私はすっかり頭が真っ白になった。

仇敵?

一楽組、黒熊会。

でも奴らはずっとモクスにいるんじゃないのか?

まさか、俺にはまだ他にも敵がいるというのか?

俺はその場で頭が痛くなった。

それ以上考える余裕もなく、すぐに尋ねた。「ナターシャ、どんな敵だ?今どこにいる?」

「説明している時間はないわ。すぐにモクスを離れてスターリンに行きなさい。会ったら話すから」

問題は今の俺に逃げる術があるのかということだ。

苦笑いしながら言った。「ナターシャ、俺が逃げ出すのは難しい。お前が去った後、色々なことがあって、今は一楽組と黒熊会に目をつ...