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330話

戦闘民族がクマをペットにしていることは聞いたことがあったが、実際に目の当たりにすると、やはり少し怖かった。

大きなヒゲの男が手を上げた瞬間、一匹のクマが姿を現した。

そのクマは、身長二メートル以上、肩幅はほぼ一メートル、体重に至っては少なくとも二百五十キロはあるだろう。

ヒゲの男がクマの背中を叩くと、クマも熊の手で軽く叩き返し、おとなしく地面に座り込むと、魚を抱えて齧り始めた。

ナターシャはそれを当たり前のように、にこにこしながらヒゲの男の前に歩み寄り挨拶すると、黒パンの袋を二つと温かい牛乳を二杯注文した。

私たちは隅の席に座ったが、すぐには会計をしなかった。

あのヒゲの男も急かさ...