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320話

小魚が行方不明になって三日、私たちも三日間ずっと探し続けていた。

真実に近づきつつあるのに、それでもなお、何の手立てもなかった。

四日目になって、アパートの玄関先に一枚のメモを見つけた。そこには「妹を助けたければ、大学城の新河荘に来い。着いたら電話しろ」と書かれていた。

そのメモを見た瞬間、私は興奮で体が震えた。

その時、考える間もなく、すぐさま新河荘へと駆けだした。

新河荘は大学城の南側にある小さな村で、取り壊し予定のため、ほとんどの住民はすでに引っ越していた。彼らが去った後、家の最後の価値を絞り出すために、近くの大学生たちに貸し出されていた。そして学生ばかりが住んでいる...