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319話

「その日記に書かれていたことは、情報量が多すぎて、私は少し茫然としてしまった。

彼女は安陽という場所について書いていた。そこで私たちが出会ったこと、そして私の記憶喪失も彼女が引き起こしたものだと。たった一発のレンガで。

ここを読んだとき、以前自分の記憶喪失について推測を話した時の三人組の妙に気まずそうな表情を思い出した。

しかも小魚児はここで「計画的だった」という言葉を使っていた。

その時は深く考えず、苦笑いしながら読み進めた。三人組とこれだけ長く過ごしてきて、こんなことを知っても怒る気にはならなかった。怒るどころか、少し可笑しくさえ思えた。これもある種の縁だろう、ただし業の深...