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260話

写真を見たその瞬間、私はすっかり呆然としてしまった。

裴子建が送ってきたのは、大波浪の写真だった。

頭の中が完全に混乱して、なぜ裴子建が大波浪の写真を持っているのか、さらには彼がなぜ私にその写真を送ってきたのか、まったく理解できなかった。

ただ一つだけ確かなことは、彼が私を探したのは、絶対に良いことではないということだ。

その瞬間、私は大波浪と最後に会った時の光景を思い出した。

あの時の彼女は、表情こそ穏やかだったが、その目には苦さが滲んでいた。

そのことを思うと、私は焦りを感じ、孟子彤に一言声をかけると、そのまま病室を飛び出し、住所をたどって裴子建のもとへ急いだ。

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