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240話

お金で子供の命を救えたのは、とても価値があったと思う。

特に球球のあの安らかな寝顔を思い出すと、心の中で思わず嬉しさがこみ上げてくる。

正直に言うと、抱きしめてみたかったし、あのぷくぷくした頬を触ってみたかった。でも、それは叶わなかった。

家に帰っても、まだあの部屋を借りた時の光景が頭から離れなかった。特に沈芳華の部屋に漂う母乳の香り、あの満ち足りた感じは、本当に魅力的だった。

だが今となっては、ただ思い出すだけ。過ぎ去ったものは過ぎ去ったこと、後悔しても仕方ない。

夜になって孟子彤が事がうまく片付いたかと尋ねてきた。私が頷くと、彼女は明らかにホッとした様子で、まるで重い荷物を下ろし...