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165話

太平県での用事で少し時間がかかったため、私たちが武安に着いた時にはもう日が暮れていた。

夜の武安村の入り口に人がいるのは普通のことだが、武安寺の近くに立っている人は珍しかった。

私と李爺さんは目を合わせた。老人も明らかに少し怪しんでいる様子で、速度を落とすよう合図した。

その人に近づいた時、李爺さんは三輪車から飛び降りた。

すると、その人は李爺さんに手を振って「李お爺さんですか?」と声をかけた。

李爺さんは頷いて、手振りで「何をしているんだ?」と尋ねた。

「お爺さんを待っていたんです。ちょうど帰ってきたばかりで、この数日は家に遊びに来る人が多くて、お爺さんのところに顔を...