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135話

売り込むなんてもうできない、この先一生もうしないよ。

胸の高鳴りを抑えながら、私は鬼姉が縄を解いてくれる瞬間を待っていた。

だが鬼姉はまるで私の心を読み取ったかのように、縄を掴みながらつぶやいた。「縄を解いてあげるけど、逃げたりしないわよね?」

やはり彼女はまだ完全には私を信用していなかった。

なら逆の手を使うしかないな。

軽く微笑みながら、私は静かに言った。「じゃあ、縄は解かなくていいよ。このままでも構わない」

「でもね、ずっと私ばかりが頑張ってきたの。疲れるのよ」

鬼姉はそう言って、私の前に回り込んだ。

彼女は私の顔を両手で包み込み、しみじみと見つめてきた。...