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783話

「張天、これはきっと難しいわ。この辺り一帯は郊外で、電話ボックスすら見当たらないの。あれば電話できるのに」琪琪は無力な様子で言った。

張天は内心で苦悶した。まさに災難が重なるとはこのことだ。どうしたらいいのか。仕方ない、一歩ずつ進むしかない。

徐々に、彼の体力が限界に近づいてきた。琪琪はそれを見て、優しく彼の顔の汗を拭いながら心配そうに言った。「張天、もう私を降ろして。あなたがこんなことをする価値なんてないわ」

張天は微笑んで言った。「大丈夫だよ。琪琪、もうそんなバカなこと言わないで。僕は絶対に君を置いていったりしないから」

琪琪の目には涙が溢れていた。「張天、もし今回私たちが危険から...