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352話

張天は思わず溜息をついた。寝ようとした矢先、急に腹の中からグーグーと音が鳴り始めた。そこで思い出した。ファストフード店で注文した食事は、結局一口も食べていなかったのだ。あの女公爵との会話に夢中になっていたせいだ。考えると腹立たしくなる。

仕方ない、キッチンで何か食べるものを探そう。張天は腹を押さえながらキッチンへ向かい、棚や引き出しをひっくり返すように探したが、何も見つからなかった。冷蔵庫さえも空っぽで、何の蓄えもない。

くそっ、二人して焦土作戦でもやってるのか。俺を餓死させる気か。なんて残酷な。

もういい、今夜は空腹を抱えて眠るしかない。張天は溜息をつき、ソファに戻って横になった。

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