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16話

薛明麗は赤ワインのボトルを取り出した。彼女と張天それぞれにグラスいっぱいに注ぎ、自分のグラスを一気に飲み干すと、また注ぎ足した。

張天は思わず感慨に耽った。人は感情的な傷を負い、気分が落ち込んでいるとき、お酒を水のように飲むものなのだろうか。張帆もそうだったし、薛明麗もそうだ。

正直言って、彼自身も以前、彼女に振られたときに酒で憂さを晴らそうとしたことがあったが、自分には全く効果がないことに気づいた。一杯目を飲んだだけで、二杯目はどうしても喉を通らなかったのだ。

薛明麗は何杯も続けて飲み、張天も彼女に付き合って飲んだ。

不思議なことに、数杯飲んでも彼はまったく酔った感じがせず、むしろよ...