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89話

「だいぶマシです、主人。大丈夫です」一言一言が痛みを引き裂くような感覚だったが、それでも小さな声で答えた。

「三段目の棚からアナルプラグを持ってきなさい」

冷凛は動かなかった。ただソファに座ったまま待っている。

「向こうを向いて、自分で広げなさい」

彼が伏せるのを確認すると、冷凛は井燃の菊穴の皺に少量の潤滑剤を塗り、冷たく命じた。

「自分で拡張しなさい」

井燃は一瞬固まったが、すぐに理解した。恥ずかしさすら感じず、手を後ろに伸ばして指を出し入れし始めた。このプラグは以前学校で使っていたものより太く、軸には多くの突起がついている。きちんと拡張しなければ確実に裂けてしまう。温子明の傷を...