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87話

「檻の扉は開けておく。夜中にトイレに行きたくなったら自分で行け」冷凛は言い残すと、小さな灯りだけを残して調教室から大股で出て行った。

バルコニーで冷凛はタバコを一本取り出した。彼は滅多に吸わない。一つには習慣がないこと、もう一つは付き合いで酒を飲むことで既に体に負担をかけているので、もう一つ不健康な趣味を持つわけにはいかないからだ。一本吸い終わる前に消してしまった。かなり喉に刺激が強い。

冷凛はベッドに横になり、スマホで監視カメラを開いた。檻の中に動きはない。彼は怖がっているだろうか?背中一面の傷が痛んで眠れないのだろうか?悪夢を見ているだろうか?

井燃は体を丸めていた。目は乾いて痛み、...