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86話

「背中とお尻が乱雑に打たれ、太ももにも鞭の痕が一面に広がり、とても哀れな姿だった。

「拾い続けるか、それとも鞭打ちを続けるか」冷凛は手を止め、高みから見下ろすように問いかけた。

「拾います」井燃は泣きながら急いで答えた。また鞭で打たれるのが怖くて。自ら目隠しを付け直し、膝をついて冷凛を待った。

鞭打ちへの恐怖からか、あるいは先ほど目の前でボールを見たことが励みになったのか、彼は冷凛の周辺を探ってみた。案の定、簡単に見つかった。それでもやはり悔しさは消えない。冷凛があまりにも厳しすぎるのだ。

冷凛は目隠しを解き、檻を開けて井燃を掴み上げるとそのまま中に放り込んだ。そして井燃の部屋へ行き、毛布を...