パズル

66話

「どうせ夕食は食べさせてもらえるし、お風呂だって自分で入らなくていい。次の日は学校まで送ってもらえる」と考えた井燃は、冷凛が出かけようとする時にわざと涙を二滴絞り出し、冷凛の首に抱きついた。「先生、お尻がまだすごく痛くて座れないし、手も箸を持てないくらいなんです。一人でどうやって生活すればいいんですか」

「携帯を貸せ。老関に電話して、この数日間はお前の食事の世話をさせるから」冷凛は手を伸ばして携帯を求めた。

「いいえ、大丈夫です。自分で何とかします」井燃は手を離し、くるりと向きを変えてゆっくりと学校へ歩き始めた。冷凛は笑いながら、小さな背中が見えなくなるまで見送った。

国慶節は休みだが、...