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776話

彼女は急いで外に走り出し、ドアを閉めた。

李潔の艶やかな背中を見ながら、李山成はいささか悔しさを覚えた。よりによってこんな時に周良が来るなんて、せっかくの好機を台無しにされてしまった。

だが村では、周良に逆らう者はいなかった。村長の息子だからだ。

三十過ぎてなお、毎日ぶらぶらと遊び歩き、妻がいるにもかかわらず、他の女性に手を出し続けている。

村人の多くは彼に対して不満を抱いていたが、村長が溺愛しているため、誰も手出しできなかった。

李山成はズボンを引き上げ、ドア際まで歩き、外を窺った。

見ると、李潔がドアを開けた瞬間、周良がドアを勢いよく押し開け、よろめきながら入ってきた。酔いに任...