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704話

彼は深く息を吸い込んだ。許晴の姿は見えないが、それでも顔に笑みを浮かべて電話に出た。「許晴か、どうしたんだ?俺は小天の会社にいるんだが……」

電話の向こうから許晴の声が聞こえてきた。「あっ、何でもないの、何でもないわ。買い物から帰ってきたら家にいなくてね、心配しただけ。足もまだ良くなったばかりなんだから、あまり遠くに行かないでね……」

……

許晴の心遣いを聞いていると、李山の目がまた熱くなった。涙がぽろぽろと頬を伝って落ちていく。それでも彼は必死にこらえながら、許晴との電話を最後まで続けた……

電話を切ると、李山は宋天と宋茜を呼び入れた。自分が末期がんだということを許晴に話したかどうか...