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686話

かつてのように強烈な期待感はもう感じなくなっていた。

人間とはそういうものだ。手に入れた途端、心の期待値は急速に下がってしまう。李山は今まで許晴を手に入れてはいない。許晴と本当の関係を持ったわけではない。

だが、彼は宋茜とそういう関係になった。体つきも容姿も許晴に劣らない極上の女性と。しかも宋茜はまだ結婚しておらず、独身だ。李山の心に道徳的な重圧もない……

李山がそんなことを考えていると、突然、許晴の体が激しく震え始めるのが見えた。彼女が終わったのだろうと分かった。李山はさらに2分ほど待ってから、突然許晴に声をかけた。

「晴ちゃん、タバコ持ってきてくれたか?急に一本吸いたくなってな……少し話し...