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616話

あの夜の出来事以来、李山は宋清韵に対する自分の感情に何か変化が生じていることに気づいていた。

そのため李山は彼女に会う勇気が持てず、ただ傍らに寄って、先ほど擦りおろした霊芝草の汁液を全て透明な小瓶に注ぐだけだった。

彼が忙しそうにしているのを見て、宋清韵も近づいてきて、眉をひそめながら尋ねた。「おじさん、これ何なの?」

李山は答えた。「霊芝草の汁だよ。内服も外用もできる。病気に効くんだ。まだ息のある人なら誰にでも効くって言われてる」

その言葉を聞いて、宋清韵は目を見開き、少し緊張した様子で尋ねた。「おじさん、本当なの?本当にどんな病気でも治せるの?」

宋清韵が急に興奮した様子を見て、李山も不思...