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58話

「明らかに李山に利用されたのに、今、李山の問いかけに対して、王春莹は緊張のあまり言葉が出ず、恥ずかしさで俯いていた。

緊張が過ぎ去ると、李山は心の中で密かに興奮を覚えていた。まさか思いがけず、日頃から思いを寄せていた王春莹に触れることができるとは。あわや下半身の"小さな奴"を中に入れるところだった。

王春莹が黙っているのを見て、李山は少し気まずそうに笑うと、慌てて扉を閉めて退出した。

リビングに座った李山は、心臓が激しく鼓動し、同時に不安げに部屋の方を見やった。幸い張冬花と趙青玉はいなかった。もし二人がいたら、どんな誤解を生んでいたか分からない。

先ほどの出来事は少し危険だったが、思い...