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578話

道中にはチンピラたちがたくさんいて、学校から出てくる女子生徒たちに声をかけようと、孫晴に向かって口笛を吹いていた。

孫晴は少し怯えた様子で、体を縮こまらせるようにしていた。

李山もそれらのチンピラたちの不純な意図を見抜き、孫晴の隣に歩み寄ると、彼女を抱き寄せて言った。「小晴、大丈夫だよ、怖がらなくていい」

突然彼が腰に手を回してきたことに、孫晴も少し恥ずかしさを感じた。

しかし、先ほどまでの恐怖が、今は李山に抱かれることで安心感に変わっていた。

だから彼女の心の中では、李山を押しのける気持ちはなかった。

チンピラたちは二人の様子を見て、そういう関係だと思い込み、李山に嫉妬の眼差しを向けた。

し...