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554話

彼は言い終わると、椅子に座り、孫晴に手を差し出すよう促した。

李山は孫晴の手首を握り、思わず軽く撫でてから、脈を取り始めた。

しかし孫晴の脈は非常に安定しており、何も問題はなかった。長年医術を行ってきた李山の経験からすれば、孫晴はただ体内のホルモンバランスが崩れているだけで、数日もすれば良くなるはずだった。せいぜい漢方薬を数杯飲めば解決する程度の問題だった。

李山は彼女を安心させようとしたが、言葉が口元まで来たところで、急に止まった。

この数日間、李山は絶え間なく彼女の体を想像し、彼女との情事の場面を思い描いていた。

今や美女が目の前に現れ、涙に濡れた姿で彼の思うままになろうとしている。李山が...