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553話

李山は表面上は彼女に心尽くしだったが、実のところ彼自身だけが知っていた——それはただ孫晴の好感を得るためだけだということを。

孫晴と知り合って以来、李山の人生には活力が戻ってきた。彼女のしなやかな体を目にするたび、李山は体が熱くなり、彼女と一度でも結ばれることができたら死んでも本望だと思うほどだった。

診療所の商売はそこそこで、診察以外の李山の日課といえば、診療所の入り口に座って、あの少女が現れるのをただ待つことだけだった。

しかし、毎日誰かが病気になるわけではない。孫晴は時々彼を訪ねてくることもあったが、やはり来ない日のほうが多かった。

そうして数ヶ月が過ぎ、診療所の商売はいまだに中...