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55話

「玉玉、寝てる?」

温かい息が再び趙青玉の耳たぶに当たり、体がしびれるような感覚に、彼女は甘えた声で答えた。「まだよ」

趙青玉は決して尻軽な女ではないし、李山のような年配の男に一目惚れするわけもない。ただ、李山の立派な"資本"に、心の奥底で欲望が芽生えていただけだった。

しかし、李山の次の言葉は趙青玉をがっかりさせた。

「玉玉、お前の花姉さんと一緒の布団に入りたいんだが、どうだろう」

この言葉に、趙青玉の心は半分冷めてしまった。腹立たしかった。でも女というものは比較したがるもの。確かに李山に触れられた時に感じていたのに、今度は張冬花のところへ行きたいなんて、その意味は明らかだった。

彼...