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353話

「李山、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、あなた——」

「李山、李山、家にいるか?早く出てきてくれ、あんたの父さんと私の父さんが村委員会で喧嘩を始めたんだ!」

決定的な瞬間だった。

桂草がやっと本音を話そうとした矢先、家の外から宋麗の焦った呼び声が響き、彼女の言葉を遮った。

二人は同時に固まり、揃って外の中庭へと向かった。

李山の方が早く、一目散に門まで駆け寄ると、門を開けた。門の外では宋麗が叩き疲れた手を持ち上げたところで、李山が開けるのを見ると、彼の手を引いて走り出した。

「今なんて言ったんだ?」李山は宋麗に引っ張られ、よろめいて転びそうになった。

宋麗は息を切らしていた。彼女も走り続け...