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305話

「ぶつぶつと」桂草はまだ少し安心できないでいた。

玄関に立ったまましばらく考えた後、桂草は決心を固めた。

夜、宋楽漢が帰ってきたら、やはりこのことは彼に伝えなければならない。

……

……

宋家村から数里ほど離れた小さな町は宋屯と呼ばれていた。大きくはないが、ここには駅があるため、周辺の村々から都会へ出かけようとする人々はたいていここで列車に乗る必要があった。そのため、宋屯は周辺で最も賑わっている小さな町と言えた。

小さいながらも必要なものはすべて揃っており、町にはカラオケや銭湯などありとあらゆる施設が存在していた。

その中の一つの銭湯では、広々とした浴槽に二人の男が横たわり、ゆったりと湯につ...