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300話

電話の向こうから聞こえる「ツー、ツー」という音に、桂草は胸が締め付けられるような思いだった。

最初から、桂草はしつこく迷惑メールを送ってくる人物が自分の家と馴染みのある誰かだと確信していた。そして今、その人物が義理の息子・李山がそんなことをしている動画を送りつけてきたのだ。

この人は一体何がしたいのか?

桂草には見当もつかず、不安に駆られながら電話がつながるのを待った。

しかし今回は、相手が電話に出ることはなく、あっという間に切られてしまった。

再びかけ直すと、既に電源が切られていた。

彼女はすっかり眠気が消え失せ、窓の外をぼんやりと見つめながら、複雑な表情を浮かべ、頭の中は乱れた思いでいっぱ...