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290話

李山は自分のベッドに横たわっていたが、もともと眠れなかったところに、あの一波また一波とベッドから聞こえてくる喘ぎ声で、ますます眠気が遠のいてしまった。

欲望とは、火花の付いたガソリンのようなもので、一度燃え上がった炎は、もはや消すことができなくなる。

彼は手を伸ばし、下半身で張り詰めたものを握り、上下に動かした。だがそれでも、あの耐えがたいむず痒さは少しも和らぐことなく、時折聞こえてくる嬌声に合わせて、むしろ一層激しくなるばかりだった。

我慢できなくなった李山はベッドから飛び起き、そっと自分の部屋のドアを開け、足音を殺しながら父親の部屋へと一歩一歩近づいていった。

家には他人がいないの...