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90話

言い終わるなり、林秋は夏竹の様子を確認しに走っていった。

しばらくして、王開山と陳氷は再び車に乗って敷地を後にした。王開山の手のひらにはずっと一枚の紙切れが握られていた。それは先ほど林秋が彼を抱きしめた時にこっそり渡したものだった。

会所の規則では、スタッフがお客と個人的に連絡を取ることは禁じられていた。

だが時には太客に出会うと、女性スタッフたちは何とかして自分の連絡先を相手に渡そうとする。そうすれば今後は個人的に会えるようになり、彼女たちの収入もより多くなるのだ。

しかし林秋が王開山に連絡先を渡した理由は彼のお金が目当てではなく、かつての黒人の彼氏さえも及ばないほどの彼の立派な「棒」のため...